学校紹介

理事長・校長挨拶

横浜山手中華学園理事長 曽德深

 横浜山手中華学校は華僑学校です。華僑・華人が子弟のために設立し、運営する学校す。1898年に横浜大同学校が世界における近代華僑教育の先駆けとして創立されました。1923年の関東大震災、1945年の空襲、1952年の祖国の政治的影響による学校分裂と、いく多の災禍に見舞われながらも、120数年にわたって学校が華僑教育の灯をともしつづけることができたのは、よってたつ華僑社会がこの地にあるからです。今日、横浜中華街が日本国内ばかりでなくその名を世界に馳せているのも、中華街が横浜の華僑社会に立脚していることによって得られた成果です。
 そもそも、1859年に横浜が開港して欧米の商人とともに中国人が来日し、160数年の歳月を経てここ横浜に安居楽業の地を築くことができたのは、華僑の力ばかりでなく,この地の日本人の理解と協力と切り離すことができません。横浜は開港のときから、欧米・アジア・日本の人びとがつくり上げた国際性豊かな街です。外国貿易と文明開化によって多種多様な人びとと文化がこの街をかたちづくってきました。
 異国の地で華僑が心の杖とするのが「華僑精神」です。「華僑精神」とは「勤労奮闘(苦労をいとわず奮闘する)」「自力更生(自分の力でやり遂げる)」「団結互助(力を合わせて助けあう)」「敬祖愛郷(祖先を敬い故郷を愛する)」「善隣友好(隣人と仲よくする)」「誠信守則(信用を重んじルールを守る)」「包容開放(包容力があり開放的)」「進取創新(進取性があり創造力豊か)」です。「華僑精神」は、アップル社を創業したスティーブ・ジョブズが語った「Stay hungry, Stay foolish(ハングリーであれ、愚か者であれ)」と一脈通じるものがあります。華僑はハングリーであり愚直であるがために多くの利他の事業を成し遂げることができるのです。
 私が毎年、中華学校の卒業生に贈ることばは「心懐祖国、放眼世界、走向世界(心に祖国を、眼は世界に、世界に雄飛する)」です。さらに学校に寄せる思いとしては「子どもに失敗のチャンスを与えよ」「責めるのでなく寄りそう」「幼いときは根っこを与えよ、大きくなったら翼を与えよ」です。横浜山手中華学園が、この学園と縁を結んだすべての人びとにとって学習共同体として成長しつづけることを望んでいます。

横浜山手中華学校校長 張岩松

 中華文明はさまざまな文明を受け入れ吸収しながら、この数千年間、連綿と継承されてきました。地域の広大なること、時間の悠久なることからも、世界における独自性を有しています。華僑華人は全世界にあまねく広がり、中国の言語と文化を各国にもたらし、中国国外における華文教育は、非常に重要かつ独特な役割を果たしています。
 近代中国において民族の独立、国家の富裕化および強大化の追求は、中国人子女の使命でした。1895年、民主革命の偉大な先駆者である孫文先生は横浜で興中会を創設し、「救国救民」思想を基にした華僑学校の創立を提唱しました。横浜の多くの華僑はこれに感銘を受け、寄付を募り本校の前身である大同学校を建設し、1898年2月に正式に開校しました。これは世界初の近代華僑学校であり近代華僑教育の先駆けとなりました。1900年、思想家の梁啓超先生は横浜で大同学校のために美しくも感動的な散文『少年中国説(若い中国)』を執筆されました。「少年が強くなることが国を強くすることである」という言葉は本校の重要な教育理念です。ふたりの先賢が、本校の「自己が強くなり国に報いることが救国救民の道である」という建学精神を打ち出され、代々の横浜華僑に国や故郷への思いを深く刻ませました。
 本校は天災、戦争、人災などの災禍をいく度も経験しましたが、代々の横浜華僑は志を曲げずその意思を引き継ぎ、これまで3世紀にわたり、その意思をさらに強固なものとし、120年以上も時代の荒波に立ち向かってきました。横浜の中華文化は本校6代にわたる華僑華人に連綿と継承され、代々の華僑華人の青少年は本校の教育を受けることにより、自己が強くなり国に報いるという国や故郷への思いを繰り返し覚醒させ、「Chinese Spirit (中国心)、民族魂」は人びとのルーツとなっています。120年以上にわたり引き継がれる力をつねに保ってこられた根源は、「華僑精神」にあると私たちは認識しています。「華僑精神」とは、「勤労奮闘・自力更生」「団結互助・誠信守則」「敬祖愛郷・善隣友好」「包容開放・進取創新」です。これは『礼記』大学篇の「修身、斉家、治国、平天下」という考えにつうじるものがあります。
 時代や世の中が変わっても、「華僑精神」はつねに継承されなければなりません。このため、本校は「Chinese Spirit (中国心)、グローバルな視野をもつ在日華僑華人」の育成を教育目標とし、生徒が「自立・自律」「自信・表現」「協働・共生」の意識をもつ人間に成長するための基礎固めを、小中学生の段階から行っています。
 本校は生徒が成長する場であると同時に、生徒、保護者、教師、卒業生、学園理事評議員がともに成長する学習共同体であり、横浜華僑華人の心の拠り所となっています。そして「心が安らぐところこそが故郷である」という文化的一体感およびそれぞれのアイデンティティを体現しています。多くの華僑の同胞および日本の方々のお心遣いとご支持のもと、中華学校は日本の地で中華文化の大輪の花を咲かせ、飛躍を続けてまいります。

校訓

三好五愛教育

三つの「良い」。
徳知体、バランスの取れた児童生徒を育成します。

品行良し 日常のふるまいや行いを正すこと。
学習良し 日々の学習にしっかり取り組むこと。
身体良し 健やかな体を保つこと。

五つの「大切にする心」。
豊かな人間性を形成する教育を行っています。

祖国を愛す 「Chinese Spirit(中国心)」を備える。
集団を愛す 仲間と助け合う。
労働を愛す 率先して奉仕する。
清潔を愛す 整理整頓・みだしなみに気をつける。
自然を愛す 自然・環境を守る。

校章・校歌

校章

校章のデザイン

  1. 中心部分は横という文字のピンイン頭文字Hと华(華)の文字を組み合わせています。
  2. 一番上にある星は祖国――中華人民共和国を象徴しています。
  3. 「华」の左右と下にある5枚の若葉は、本校校訓の五愛(祖国、集団、労働、清潔、自然を愛す)を表わしています。
  4. 背面にある模様は輝かしい中国文化を象徴しています。

校歌

光荣啊!
横滨中华我学校,民族教育的灯塔。
从暴风雨里挺起腰,在侨胞团结里成长。
五爱校训培英少,届届校友人材广。

同学们!
伟大祖国像太阳,照着前途多么光亮。
携手并肩努力向前,追求真理争做榜样。
学好本领造福明天,改造大自然。

马广秀 词 / 黄伟初 曲(发表于1959年4月)

公募、決定まで

1958年、学校から華僑、校友生に校歌と校章を募集し、横浜の華僑だけでなく各地の華僑からも応募があった。審査を経て、当時教員であった馬広秀が書いた詞を校歌の歌詞に選ばれ、その後この詞に基づき曲を募集した。専門家による審査により、第六期卒業生、黄偉初が作曲した曲が選ばれた。校章は当時中国留日同学総会会長韓慶愈と教員であった費龍禄二人による共同作品が選ばれた。1959年4月、学校にて発表式典が行われ、正式に校章と校歌が採用された。この校章と校歌は現在も使われており、横浜山手中華学校の教職員と生徒の結束力を高め、その心は代々の華僑子弟にいまも受け継がれている。

制服

小学生 冬季

小学生 夏季

中学生 冬季

中学生 夏季

施設・設備

充実した設備で学ぶ力を支えます。

1F


調理室

2F


校庭

3-5F


教室

3F


図書スペース


美術室

4F


中国文化室


音楽室

5F


技術家庭科室


理科室

6F


多目的ホール

6~7F


体育館

教職員及び児童生徒の構成

2023年度教職員構成

華僑出身13名 / 中国出身:29名 / 日本人:17名*1

*1:本校卒業生3名を含む

2023年度児童・生徒構成

中国籍:261名 / 華人:337名*2 / 日本人:31名

小学部441名、中学部188名、計629名

*2:日本籍または外国籍で中国にルーツがある児童生徒

(2023年4月1日現在)