学校の教育

 

「Chinese Spirit(中国心)」と
「グローバルな視野」をもつ
在日華僑華人を育みます。
「Chinese Spirit(中国心)」を育むために、さまざまな活動を行っています。中国建国70周年である2019年には、中国から購入した70頭の獅子への「点睛開光(魂入れ)」の儀式を行いました。この日は関帝廟に祀られている関聖帝君(関羽様)を招いて魂入れし、本校児童生徒・熊猫幼稚園園児・教職員・保護者・卒業生・退職した教職員など中華学校にかかわる人たちが集まり、建国70周年を祝いました。

 

●「Chinese Spirit(中国心)」
中華文化を継承することで、子どもたちのアイデンティティを確立し、自尊心を高めます。
これが華僑学校の教育の中核となります。
華僑精神を理解し体験することで、自らを華僑華人として認識し、日本に暮らす華僑華人としていかに生きていくかを学びます。

華僑精神

中国国外で暮らす華僑として、華僑精神は居住国の方たちや故郷と良好な関係を築くための導きとなります。それは『礼記』大学篇の「修 身、斉家、治国、平天下」という考えにつうじるものがあります。

「勤労奮闘・自力更生」苦労をいとわず奮闘する・自分の力でやり遂げる(修身)
「団結互助・誠信守則」力を合わせて助けあう・信用を重んじルールを守る(斉家)
「敬祖愛郷・善隣友好」祖先を敬い故郷を愛する・隣人と仲よくする(治国)
「包容開放・進取創新」包容力があり開放的である・進取性と創造力を備える(平天下)
自分たちで魂入れした獅子とともに中華街での記念パレードに参加しました。建国のお祝いの気持ちと魂が入った獅子の意味を知り、子どもたちはこれまでよりりりしい姿で獅子を舞い行進し、沿道の観客も子どもたちの一生懸命な姿に感動したようすでした。

 

教育の方針

本校は華僑自らが創設し運営する国際性のある華僑学校であり、子どもたちは中日両国の言語と文化を学びます。
徳育・知育・体育など多方面にわたる能力開発教育をとおして、華僑華人の子弟が中国の言語と文化を継承、発揚し、さらに日本の言語と文化を理解し、日本の学校と同等以上の学力と総合的に高い資質を備えることで、中日友好を促進し国際性豊かな人材となるための基礎教育を受けます。

理想とする生徒像

自立・自律
自分で考え、判断し、行動できる生徒

自信・表現
自己肯定感と他者肯定感を養い、自信と信念につなげ、積極的、主体的に表現できる生徒

協働・共生
行動をとおして互いに高め合い補い合い、多文化共生、異なる価値観への理解を備えたウィンウィンの関係を構築できる、集団としてパワーが最大化、最適化される共同体を実現できる生徒

教育の特色

本校では「Chinese Spirit(中国心)」を育むことを中心として、5つの特色ある教育を行っています。
それはバイリンガル教育、「三好五愛」教育、多文化理解教育、小中一貫教育、ICT教育です。

 

① バイリンガル教育

中日両国の言語と文化を教育します。

本校のバイリンガル教育の根本は、二言語による思考力を養うことです。
基本になるものは、言語だけでなく、両国の文化・社会・生活などを理解したうえで、思考のスイッチを自由に切り替えることです。
そして、バイリンガル教育の目標は、異なる価値観を持つ人の見方や考え方を理解することです。

中国語教育
本校の子どもたちは日本で、つまり中国国外で中国語を学ぶため、本校ではネイティブの先生が第二言語習得のための中国語の授業を行っています。聞く、話すをベースに、読み書きも進めていきます。中国語の授業のほかにも、小学部では中国語会話、中国地理、歴史、数学などを、中学部では中国文化常識の授業をそれぞれ行い、さらに全校でスピーチ大会、学芸会などを開催しています。また中国でのキャンプや交流をとおして、世界の華僑華人の子どもたちや中国の生徒と直接中国語で会話する、中国語を実際に使う機会を積極的に設けて、中国語による思考力、表現力を養います。

日本語教育
日本語教育は、日本の小学校と同じ「国語」の教科書を使って、日本語ネイティブの先生が授業を行います。日本語のほか、理科、社会や技能教科など日本語での学びと発表の場を、中国語と同様に多く設けています。

中国京劇体験
中国の文化体験の一つとして、中国伝統芸能を代表する京劇を体験します。化粧や、プロの京劇俳優との演技を実際に経験し中華文化に触れます。

日本能楽体験
日本の文化体験では、国立能楽堂からプロの奏者を招き、能楽の楽器を体験します。これらの楽器のルーツは中国にあります。それが現在もこのようにして日本で受け継がれていることを子どもたちに伝え、両国の文化に触れます。

中国語スピーチ大会
全校生徒が予選に参加し、予選を勝ち抜いた生徒が本選に進みます。

 

② 三好五愛教育

三つの「良い」。
徳知体、バランスの取れた児童生徒を育成します。

品行良し 日常のふるまいや行いを正すこと。
学習良し 日々の学習にしっかり取り組むこと。
身体良し 健やかな体を保つこと。

五つの「大切にする心」。
豊かな人間性を形成する教育を行っています。

祖国を愛す 「Chinese Spirit(中国心)」を備える。
集団を愛す 仲間と助け合う。
労働を愛す 率先して奉仕する。
清潔を愛す 整理整頓・みだしなみに気をつける。
自然を愛す 自然・環境を守る。

 

③ 多文化理解教育

華僑華人としての多角的な物の見方や考え方を身につけます。
日本社会・中国社会・華僑社会を理解します。
日本の学校・中国の学校・華僑学校との交流をとおして多文化を理解します。

小四 横浜市北方小学校との水墨画交流(1998~)
小四 姉妹校、和光小学校との交流活動(2015~)
小五 北方小学校、元街小学校との三校球技大会(1971~)
小六 神戸中華同文学校との交流(2012~)
中二 北京の中学校との交流(1993~)
中二 東京学芸大学(多文化共生コース)学生と交流(2017~)
中二 西金沢中学校との交流(2000~)
中三 東京大学(比較教育学)学生と交流(2018~)
小五~中二 中国政府主催の夏季・冬季キャンプ「ルーツを探る旅」に参加(2018~)

 

④ 小中一貫教育

小学部
中国語系の教科(中国語で授業を行う中国語、数学、中国社会)を重点的に学び、同時に日本の小学校と同様の内容を学習します。中国語を校内言語とし、正しい生活習慣と学習習慣を身につけます。

中学部
日本語系の教科(日本語・数学・英語・理科・日本社会)を日本の中学校と同様の内容で重点的に学びます。校内言語は中国語を中心に、日本語も使用します。学力を伸ばし、思考力と判断力、主体的に学習に取り組む力、表現する力を身につけます。

 

⑤ ICT教育

ICT教育環境

全教室にプロジェクタと無線アクセスポイントを完備
すべての教室にプロジェクタとアクセスポイントを完備し、場所の違いによる学びの制限がありません。また、ネットワークの基幹部分の回線を増強し、機器のバックアップを準備しているので、今後見込まれるICT教育やネットワーク障害にも対応できるインフラが整っています。

一人1台のタブレットPC
 

小学四年から一人1台のタブレットPCを使用します。小学三年までは必要に応じて学校保有のタブレットPCを使います。また、Microsoft365アカウントを全校生徒分取得し、Microsoft Officeなどを使用して将来に生かせるスキルを身につけます。

ICT技術を積極的に取り入れる
 

中国教育部および中国最大手IT企業である科大訊飛[iFLYTEK]と提携し、AIを取り入れた中国語学習アプリ『e学中文(Learn Chinese)』を共同開発しています。また、Microsoft365のサービスを教育や校務に生かすため、教職員の研修を定期的に行っています。

他者とかかわりながら主体的に学ぶ

教科の学習で
学習アプリを使用したリーディングやリスニングの反復練習、インターネットを使った調べ学習、資料の作成・発表などを行っています。

学校生活で
学校行事・委員会活動・部活動など、ふだんの学校生活でもタブレットPCを取り入れています。資料の作成や展示物の制作、チームでの情報共有などでタブレットPCを活用することで、多くの生徒が活動に参加し、他者とかかわりながら主体的に取り組むことができます。

コミュニケーション
Microsoft Teamsを活用した連絡事項の伝達、課題の提出やそれに対するフィードバック、生徒へのアンケートなど、ICT技術を積極的に活用しています。

時代の要求に即した取り組み

緊急事態宣言発令時は、オンライン授業の体制を迅速に整えました。毎日の欠席連絡や学校からの通知にもICT技術を用いて、効率化やペーパレス化を進めています。教職員はクラウドを利用した情報共有を行い、会議ではペーパーレスを完全に実現しています。情報化が進み、SDGsやSociety5.0が提唱される現代において、本校も時代の要求に即した教育を模索しつづけています。

カリキュラム

授業科目および時間数(週6日授業)
 










































小一 6 2       4   5     2 2 2     1 1   25
小二 6 2       4   6     2 2 2     1 1   26
小三 6 2       4 2 6 3 1 2 2 2       1   31
小四 6 2       4 2 6 3 1 2 2 2   1     1 32
小五 7   3     4 2 6 3 2 1 2 2   1     1 34
小六 7     3   4 2 6 3 2 1 2 2   1     1 34
中一 6       2 5 3 4 4 4 1 2 1 2       1 35
中二 6       2 5 3 4 4 4 1 2 1 2       1 35
中三 6       1 5 4 4 4 4 1 2 1 2       1 35

中国語

標準語(普通話)を使用して、第二言語としての中国語を教えています。言語の習得とコミュニケーション能力の向上だけでなく、中華文化に対する理解を深めることにも重点を置いており、文化的な内容を交えながら授業を行っています。教材は、中国語を第二言語として学ぶ華僑華人のために編纂された『漢語』シリーズの教科書を採用しています。
これは、アジアの全日制華文学校で広く採用されている教科書です。「聞く・話す・読む・書く」、これらの力をバランスよく伸ばすため、「中国語」「中国語会話」の二つの科目を設けています。授業外の取り組みにも力を入れています。毎年開催する「中国語スピーチ大会」は、小学一年から中学三年までの全校生徒が参加する大型行事です。語彙を増やすための「中国語単語暗記大会」なども開催しています。


 

中国社会

本教科は中華文化を幅広く学ぶものであり、本校の中核となる教科の一つです。中華民族の歴史や中国の地理を学び、中華文化を体験することで、中華文化の発展と普及・中日交流の促進に貢献できる人材を育てることを目標としています。小学四~六年は書道、小学五年は中国地理、小学六年は中国歴史、中学一~三年は中国文化常識を学びます。関連行事として、毎年「中華文化常識チャレンジカップ」を開催しています。また、毎年夏休みと冬休みには、「ルーツを探る旅」として、中国政府主催の夏季キャンプ・冬季キャンプに参加しています。ほかにも、夏休み・冬休みに行う「中華文化大楽園」や「春節杯」書道大会などがあります。

日本語

日本の国語科に相当する教科で、日本の公立学校と同じ教科書を採用しています。 日本語科では小中9カ年一貫教育をとおし、「自分がなりたいものに全力で向かえるような、自分に自信をもてる人を育てる」ことを目標にしています。単に言葉に対する理解を深め、言語力を伸ばすことに留まるのではなく、一人ひとりが自己の生きる意味を問い続ける土台へ寄与することを念頭に、学習活動を行っています。小学部低学年では、話すこと・聞くことや、音読練習に力を入れています。中学年ではペア学習やグループ活動をとおして、友だちと意見交換をしながら、文章を深く読み込んでいきます。高学年では、グラフや叙述をもとに、根拠を挙げながら自分の考えを書いていきます。中学部では、ディベートを行ったり、文章の主題に対する理解を深めるために、教科横断的な学習を行ったりしています。

英語

小学三年から英語の授業がスタートします。三・四年は週1時間、五・六年は週2時間、中学部は週4時間の英語の授業があります。使用言語は、小学部が英語と中国語、中学部が英語と日本語です。中学部では日本の公立学校と同じ教科書を採用しています。
小学三・四年生は英語に親しむことを目標にしており、基本的な単語や授業用語を学びます。五・六年生は、簡単な会話の聞き取りや、短い文章の読解などに取り組みます。中学部では、「話す・聞く・読む・書く」の四技能を統合し、コミュニケーションツールとしての英語を身につけます。本校は実用英語技能検定試験(英検)の会場に指定されており、一次二次とも本校での受験が可能です。
小学一年から中学三年までの生徒が、英検にチャレンジしています。

小学数学

中国人民教育出版社の教科書を採用し、中国語で授業を行っています。一年生には、教科書の中国語を説明したり、数学用語の中日対訳表を配布したりして、家庭内に中国語環境がない児童の学習をサポートしています。小学数学科では、「四つの基本」を重視しています。「四つの基本」とは、基本的知識を身につけること・基本的技能を身につけること・数学の考え方を理解すること・数学的な体験を蓄積することを指します。自分で解き方を考えたり出題したりする力や、問題を分析して解決する力を身につけます。各学年の授業内容はいずれも「数と代数」「図形と幾何」「統計と確率」「思考力を鍛える」「総合と実践」で、スパイラル式に高難度の学習に進んでいきます。2011年度から、年一度の全校数学暗算大会を開催しています。2022年度からは、小学三年から中学三年までの生徒が校内で実用数学技能検定(数検)を受検しています。

中学数学

中学部では、日本語で数学を学びます。本校が選定した問題集を教科書として使用しています。数学的活動をとおして、数学的な見方・考え方を身につけることや、事象を数学的にとらえ、論理的に考える力をつけることを重視しています。三年生は習熟度別にクラス分けを行っており、自分のレベルや進度にあったクラスで授業を受けることが可能です。また、二年生の授業時数を文部科学省が示す標準授業時数よりも多く設定し、三年生の二学期までに中学の学習内容を終え、三学期は受験対策に力を入れています。

社会

日本の社会科に相当する教科で、日本の公立学校と同じ教科書を採用しています。日社科では「自ら課題を設定し、その課題解決に向けて必要な資料を見つけ出し、社会的な見方や考え方からさまざまな事象の因果関係を明らかにし、構成を考えて説明できるようにする」ことを目標にしています。小学三・四年生は身近な地域・身近な歴史について学びます。小学五・六年生は日本の諸地域・日本の歴史を学びます。中学部では世界の諸地域・世界と日本の歴史・政治経済を学びます。各学年の目標は共通しており、高学年になるにつれて学習範囲が広がり、生徒が説明できる内容も深まっていきます。

理科

理科では小学三年から中学三年まで日本の公立学校と同じ教科書を採用し、学習指導要領に基づいた授業を行っています。本校理科の目標
①科学のおもしろさを知るとともに、基本的な知識を身につける。
②物事を分析する力、問題を解決する力を身につける。
③観察・実験における基本的な技能を身につける。
④コミュニケーション能力、自己表現能力を育てる。
⑤生命を尊重する心を育てる。
とくに「実体験」「自己表現能力」を重視し、各学年で観察・実験・発表の機会を多く設けています。また、小中一貫校の強みを生かし、中学の学習内容を一部小学生のうちから学んだり、小学校で定着が不十分だった内容を中学で補ったりして、6年間かけて理科に必要な力をじっくり育ててい きます。

音楽

表現および鑑賞の幅広い活動をとおして、表現力を高め、中日両国および世界各国の音楽の伝統・文化の多様性について理解し、生活や社会のなかの音や音楽に対する豊かな感性と芸術を創造しようとする豊かな心を養うことを目標にしています。教科書は、全学年で中国語・日本語の2冊を使用します。中国語の教科書は、本校で編集したオリジナルの教科書です。中国・日本・世界の音楽を同時に学びながら、それぞれの伝統や文化に触れることができます。鑑賞活動やワークショップにも力を入れており、日本フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聴きに行ったり、能楽ワークショップを行ったりしています。

体育

体育科は、運動・健康・安全についての学びと運動の実践のなかで、生徒一人ひとりが自ら考え行動し、仲間とコミュニケーションを取りながら豊かな人間性を培えるよう、授業を行っています。中学校の保健体育は、日本の公立学校と同じ教科書を採用しています。ICTの活用にも力を入れており、タブレットを用いてチームで作戦を練ったり、録画した映像を見ながらゲームを振り返ったりしています。また、生徒同士で撮影を行い、映像を確認しながらアドバイスしあうこともあります。ICTの活用は、技術の向上はもちろんのこと、対話的で深い学びにつながると考えています。

図工・美術

造形遊び・絵画・彫刻(彫塑)・デザイン・工作(工芸)・鑑賞などのほか、小学部では水墨画、中学部では切り絵や篆刻など中国の美術文化に触れる機会を多く設けています。小学部では、自然のものや季節の素材を実際に見たり触ったりして発見したことを、作品のなかで表現していきます。グループ制作や教科横断的な学習を取り入れ、子どもたちの「アイディアを形にする」「チャレンジする」「人とつながる」力を育みます。中学部では、自分自身と向きあい、内面を表現する作品の制作や鑑賞活動をとおして、多様な価値観を学びます。生徒たちは美術をとおして世界に目を向け、自分の世界を広げていきます。

技術家庭

技術分野においては、情報とコンピュータを重点的に学びます。一年生は情報リテラシーの重要性を学び、文書作成・表計算などの技術を習得します。二年生は、プログラミングと電気(エネルギー変換)を学びます。三年生は 製図ソフトを利用して設計し、木工作りをします。家庭分野では体験実習を重点的に行っています。衣生活では、日常生活に密着した役立つモノ作りを行います。食生活では、調理実習を3年間とおして行います。とくに、中国 の食文化の伝承として、素材・調味料・道具の使い方・料理法などを学び中華料理を作ります。保育の学習では園児や児童との交流をとおして、年齢・発達の違いによる興味や関心の変化に気づき、子どもの成長を見守り育てるという家族生活の基本を学びます。